UAとGA4では定義が違うデータが多いです
UAとGA4では同じ名称にも関わらず計測の定義が違ったり、新規に増えたあるいは新たに減った項目もあります。ここでは代表的な違いや変化について解説します。
定義が変わった項目
セッション
ユーザーの訪問単位を表すセッションは定義が大幅に変わりました。
項目 | UA | GA4 | 影響 |
---|---|---|---|
セッションの長さ | 最後のページ表示時間 - 最初のページ表示時間 | 最後のイベント発生時間 ー Session_Startのイベント発生時間 | GA4では時間が長くなる |
セッション最長の長さ | 24時間 | 制限なし | GA4では時間が長くなる |
別セッションになるためのヒット間隔 | デフォルト30分 管理画面で1分~4時間で変更可能 | デフォルト30分 管理画面で5分~7時間55分(5分刻み)で 変更可能 | 設定を変えた場合は差が発生 |
流入元が変わった 時の挙動 | 新しいセッション | 新しいセッションにならない | GA4ではセッション数が減る傾向に |
日をまたいだ場合のセッションの挙動 | セッションが切れて 別セッションになる | 別セッションにならない (訪問回数は日ごとに1ずつカウントされる) | GA4ではセッション数が減る傾向に |
日またぎのデータ 送付に対する処理 | 4時間以内のデータを処理 | 72時間以内のデータを処理 | GA4ではセッション数が増える傾向に |
特に影響が大きいのは流入元が変わった時の挙動になります。ユーザーAが以下の動きをしたとしましょう。
①検索から流入してページAを閲覧⇒②サイト外に出て今度は広告から流入してページBを閲覧
UAの場合はセッション数が2となりましたが、GA4の場合は①と②の間の時間が「別セッションになるためのヒット間隔」以内(初期設定は30分)であれば同一セッションとしてカウントされます。流入元自体はそれぞれ1つずつ計測されます。
離脱率
UAでは分母がページビューでしたが、GA4ではセッションに変わります。この結果、離脱率が増える傾向があります。
例)以下の3つのセッションがあった場合
1)ページA⇒ページB⇒ページC
2)ページA⇒ページC⇒ページB⇒ページA
3)ページB⇒ページA⇒ページC
UAでのページAの離脱率
ページAが最後だった回数=1回
ページAのページビュー数=4回
ページAの離脱率=1÷4=25%
GA4でのページAの離脱率
ページAが最後だった回数=1回
ページAが存在するセッション数=3回
ページAの離脱率=1÷3=33%
このように分母が変わるためGA4のページごとの離脱率はUAより高くなる可能性があり、単純比較は出来ません。
コンバージョン数
UAもGA4もコンバージョンを登録してその回数をカウントするということは変わりませんが、UAでは設定したコンバージョンが1つのセッションで複数回達成した場合も「1」としてカウントされています。つまりセッションにおいて、設定した各種コンバージョンがそれぞれ発生する最大回数は1ということです。
GA4ではこの仕様が変わり、1つのセッションで複数回同一コンバージョンを達成した場合は、その分だけカウントされます。例えば「詳細ページ閲覧」をコンバージョンとして設定しており、セッション内で3回閲覧された場合、UAではコンバージョン数1でしたが、GA4ではコンバージョン数3となります。
これによりGA4ではコンバージョン数が増え、コンバージョン率にも影響を与えます。
無くなった項目
直帰率
サイト訪問時に1ページだけ見て離脱した数(直帰数)や割合(直帰率)はGA4の画面上からなくなりました。ランディングページや流入元ごとの直帰率は用意されていません。直帰率は1秒滞在して離脱しても、20分滞在して動画を見て離脱しても同じ直帰扱いでした。直帰率単体では、ユーザー行動の実態を表していないという事で非推奨であるという判断だと思われます。
BigQueryに保存されたログデータから生成する事は可能だと思われますが、日常的にレポートでは見ることができなくなりました。
2022年7月19日よりGA4の探索レポートで直帰率が確認出来るようになりました。ただしUAと用語は一緒ですが定義が違います。直帰率は1-エンゲージメント率として算出されており直接の比較は出来ません。エンゲージメント率に関しては次の項目をあわせてご覧ください。
増えた項目
エンゲージメントセッション
直帰率を代替するものとして生まれたのが「エンゲージメント」です。エンゲージメントのあったセッション、エンゲージメント率(エンゲージメント数÷セッション数)としてレポート等で表現されます。
エンゲージメントのあったセッションは以下のいずれかを満たした場合に認定されます。
- 10秒以上の滞在(管理画面で秒数は最大60秒まで変更可能)
- 2ページ以上の閲覧
- CVイベントの発生
直帰率とは逆でエンゲージメント率が高いほど(一般的には)良い流入元やランディングページという考え方になります。
アクティブユーザー
1秒以上画面が前面に表示されていたユーザー数となります。ユーザー数と比べて若干数値が減ります。
前面とは、ユーザー自身が内容を見ることが出来る状態を指し、例えば別タブでページを開いたけど、そのタブを選択していない場合はアクティブユーザーとしてはカウントされません。ユーザー数やページビュー数としてはカウントされます。